今回紹介するのは独立系デベロッパShining Rock Softwareの処女作
「Banished」だ。なんとこのデベロッパに在籍するのは,本作の開発者である
Luke Hodorowicz氏だけであり,ゲームエンジンからサウンドまですべて彼が1人で制作したというから驚きだ。
本作は,追放(Banish)された人々をプレイヤーが率いて,人里離れた僻地で集落を築いていくというシミュレーションゲームだ。集落を築くという部分でいうと,
「シムシティ」というより,「ANNO 1404」や
「The Settlers」に近いものを感じる。
ゲームは,最低限の食料物資を持った状態でスタートするので,当面の目的は
食料と建築資材の確保になる。特に注意しなければならないのが食料であり,早い段階で食料を得る方法を確立しなければ,みるみるうちに村人が
餓死していく。村人がいなければ何もできないので,これだけは避けたいところだ。 食料は,狩猟や釣り,採取などで入手できるが,これらの
資源には限りがあるので,ずっとこの方法で食料を確保し続けるのは厳しい。したがって,ゲーム序盤は,天然資源に頼りながらも,徐々に農場や牧草地を作るなどして,自給自足ができるよう切り替えていくのがベストだ。
村人は全20種ある職業のうち,どれかに就くことができ,
転職はいつでも可能だ。管理するのはプレイヤーなので,きちんと村全体がまわるようバランスよく職を振り分けていくことが重要になる。
食料が余っているようであれば,狩人や釣人を木こりに回したり,早急に建てたいものがあれば,一時的に建築士にしたりと,その時の状況に応じて適切な振り分けをしていきたい。
プレイヤーは村人の
健康にも気を使う必要がある。冒頭で触れた餓死のほかにも,
凍死や病気,ストレスなどがあり,これらには必ず要因となるものがある。
凍死は,村人が家で暖をとれないことが原因であるため,木こりを使って薪を多めに生産しておけば防ぐことが可能だ。病気は食生活の偏りなどから来るの で,食料は幅広く確保しておきたい。ストレスで不幸を感じている村人には,礼拝堂を作るなど気晴らしできる場所を作ってあげよう。
病気以外に気を付けたいのが,火災や竜巻といった
災害だ。準備もなしにこれら災害に見舞われると甚大な被害を被ることになるので,火災対策には井戸を,竜巻対策には避難場所を用意しておこう。
こうして徐々に村を発展させていき,いずれはメトロポリスに――と言いたいところだが,そこまで近代的な発展は遂げず,あくまで田舎町レベルに留まってしまう。
だが,それがいい。
本作は,ひっそりちまちまと田舎作りを楽しみたい人にオススメできる作品なので,興味があればぜひ遊んでみてほしい。